花がない時期なので (?) 実験区の様子など。下は前回キョンと会った調査地の様子です。写真奥の明るい所は、2008年春に伐採した後、シカ柵を張らずに経過を見ている区画です。すっかりアカマツ林になりました。

暑苦しい夏にはさわやかでよい…
アカマツは有機物堆積の薄い立地に生育する植物です。シカに比較的好まれず、他の植物が殆ど食われてしまうシカ密度でも、割と生き残ります。写真の場所は比較的急傾斜なので、シカの影響で植物が生えられないと、堆積物が流失して地面が露出がちになります。こうしてできたアカマツ向きな立地に、近くの母樹から種子が飛んできて、天然アカマツ林のできあがり(まあ17年かかっているのですが)。

上の風景を拡大すると、手前と奥にアカマツの梢端がみえ、間に挟まるようにカラスザンショウの梢端が見えます。カラスザンショウは、伐採後にシカ柵で囲った区画の林冠部です。
カラスザンショウの下の林床は、こんな感じ:

おなじみのヒサカキやスゲが繁茂しています。近くにスギ植林地があるので、よく見るとスギも生えてます。一方で、アカマツはこの柵内には全然見当たりません。
このように、シカは伐採跡地の森林発達の方向性を変える力を持っています。一方で、房総半島のように生産性の高い環境では、シカがそれなりにいても、伐採跡地は最終的に森になっていきそうです(木の種類は伐採前と違いますが)。

(↑今回のサービスショット)